生物基礎 1.生命の誕生
まずは、次のイラストを見てください。
中学校の理科で学習した覚えがある人も多いかもしれません。
これは細胞の模式図です。
みなさんがこれから学習するのは「生物」ですね。その 「生物」の基本単位 となっているのが 「細胞」 で、実は すべての生物が細胞を持っている んです。
地球上に 生命 がどうやって誕生したのか、つまり 細胞 がどうやって誕生したのかを確認していきましょう。
生命誕生の舞台は地球ですね。地球はいったいいつ、どうやって誕生したのでしょうか。
地球 は、複数の隕石が衝突を繰りかえして 約46億年前に誕生 したとされています。誕生したばかりの地球では生命の元となる有機物が全くありませんでした。
この状態から雷や海底火山の活動などにより約8億年かけて有機物が蓄積され、今から 約38億年前に生命が海中で誕生 したとされます。
約38億年前に誕生した最初の生命は、いったいどんな姿だったのでしょうか?
もちろん誰も目にしたことはありません。ただ、いま現存している生物から想定されるのは、最初の生命はいきなり複数の細胞が集まって誕生したとは考えられていません。おそらく、ひとつの細胞によってできた生物、つまり 単細胞生物 であったと考えられています。
単細胞生物は、海中の有機物を使って生命活動をしていました。しかし、地球上に単細胞生物が増えてくると、海中での有機物がどんどん不足していきます。
この有機物の不足はどのように解決されたのでしょうか。
今から 約30億年前 のことです。長らく地球を覆っていた厚い雲が、約30億年前には減少し、太陽光が地表に届くようになりました。これにより、光のエネルギーを利用して有機物をつくる生物、つまり 光合成ができる細菌が誕生 したのです。
水を使って光合成をおこなう シアノバクテリア という細菌によって、 酸素が地球上に存在 するようになりました。
光合成を行う生物の誕生により、地球上には酸素が増えていきました。すると、発生した 酸素を利用する生物が約20億年前に出現 したのです。
酸素は、生物にとって非常に重要です。細胞は、酸素を使うことで、効率よくエネルギーを取り出せるようになり、より多くの機能を獲得するようになっていきます。
そして 約10億年前 には 複数の細胞で役割を分担して、ひとつの生物として生きる多細胞生物が出現 しました。
多細胞生物がさらに長い年月をかけて進化を続けた結果、いま現在のように、地球上に多種多様な生物が暮らすようになったのです。
地球が約46億年前に誕生してから約8億年かけて有機物が蓄積され、生命が誕生しました。
地球の誕生と生命の誕生どちらなのか を問題文をよく読んで答えるようにしましょう。
今回の場合は生命の誕生を聞かれているので 約38億年前 が答えになります。
長らく地球を覆っていた厚い雲が、約30億年前には減少し、太陽光が地表に届くようになったことで、光合成を行う細菌が誕生しました。
そのうち、水を使って光合成を行う生物が シアノバクテリア でしたね。
生命が誕生したときは、一個の細胞でできた生物である 単細胞生物 が誕生しました。
多くの細胞でできた生物である 多細胞生物 は、シアノバクテリアによって酸素がつくられ、生物が多くの機能を獲得したことによって今から約10億年前に誕生しました。
2.生物の特徴
今回のテーマは「生物の特徴」です。
まずは次の3つの写真を見てください。
イヌ、ハチ、菌類の写真ですね。みなさんはこの3つの写真を見たときに、そのどれもが生物であるということはなんとなくわかりますね。
でも、例えば、チョークや消しゴムが「生物ですか?」と聞かれたら、「いや、それは生物じゃないでしょ」と思いますよね。
では、なぜみなさんは 「生物」と「生物でないもの」を区別できる のでしょうか。しっかりと理由を聞かれて答えることができますか。
実は、あるものが 「生物である」ためには必要な条件が6つ あります。生物が生物であるための条件、すなわち生物の特徴について詳しくみていきましょう。
実は、生物が生物であるための条件は6つあります。箇条書きにすると、次のようになります。
この6つの特徴はすべて重要です。内容をひとつひとつ説明していきましょう。
生物の特徴として、最初に挙げられるのが「 細胞 から構成されている」ということです。
前回の授業「生命の誕生」でも触れましたが、 「すべての生物の基本単位は細胞」でしたね。逆にいうと、 「細胞をもたないものは絶対に生物ではない」 ということなんです。
2番目の特徴は 「代謝」 です。
生物が生きていくためにはエネルギーが必要です。私たち人間であればごはんを食べて炭水化物やタンパク質などを摂取し、それを体内で消化してエネルギーをつくりますね。植物は光合成をすることで有機物をつくり、エネルギーをつくっています。
このように、生物は外部から取り入れた物質を、体内で化学反応によって変化させてエネルギーを得ています。生物の体内で起こる化学変化全体は 代謝 と呼ばれ、生物が生物であるための条件のひとつになります。
化学変化は厳しい環境の下では起こらないことがあります。たとえば南極や北極など気温が0℃を下回るような環境で、もしわれわれの体内も同じ0℃以下だったら化学変化は起こりません。
しかし、実際には北極や南極にも生物は生息しています。外の気温が低くても一定の体温を保つことができ、代謝を起こすような仕組みが生物には備わっているからです。
一定の状態を保つことを 恒常性 といいます。これも生物の特徴のひとつです。
「細胞」「代謝」「恒常性」のほかに、まだ3つ生物の特徴があります。
たとえばみなさんは熱すぎるお風呂に足を入れたらすぐに足を引っこめたり、友達から「おはよう」といわれたら「おはよう」と返事したりしますよね。
これは外からの刺激に対してそれを感知して、反応していることになります。これも生物すべてに共通する特徴のひとつです。刺激に対して応答しないものは生物ではありません。このような生物の特徴を 変化への受容と反応 と呼びます。
また、生物は子孫ができないと次の世代を残すことができません。生物の種類によって子孫の残し方に違いはありますが、必ず子孫をつくるという点は共通しています。子孫をつくることを大きくまとめて 生殖 と呼びます。
地球の環境は火山の噴火や氷河期などで大きく変わることがあります。常に同じ性質をもった子孫を残し続けていると、環境の変化についていけず、子孫をつくっても生き延びることができません。生物が誕生してから今まで生き続けているのは違う性質をもった子孫をつくって環境に適応してきたからです。
このように子孫が変化を続け、生物に多様性をもたらしていることを 進化 と呼びます。
生物が生物であるための6つの条件をあげていきましょう。
①細胞
生物はすべて 細胞 から構成されています。細胞をもたないものは絶対に生物ではありませんよね。
②代謝
細胞が活動するためにはエネルギーが必要です。エネルギーをつくる為に植物では光合成をしたり、人間ではごはんを消化したり、様々な化学反応を細胞内で行っています。この事を 代謝 といいます。
③恒常性
代謝はどのような環境下においても起こるわけではありません。化学反応を起こすための環境を体内で保つことを
恒常性 ホメオスタシスという。=体内環境の維持。
④変化への受容と反応
生物は周りの刺激や変化を感知して必ず応答します。このことを 変化への受容と反応といいます。
⑤生殖
生物は必ず子孫を残さなくてはなりません。形式は様々ですが子孫を残すことを 生殖といいます。
⑥進化
子孫をつくる際は親と完全に同じではなく少しづつ性質が変わる 進化 をしていて、環境の変化に対応できる多様性を生み出しています。
3.細胞の大きさ
みなさんは細胞を実際に見たことがありますか。細胞の絵などを見てなんとなく形は知っていると思いますが、実物を目にしたことはありませんよね。
細胞は生物によって様々な大きさがあります。そして、多くの細胞は顕微鏡を使わないと見ることができない大きさなのです。
今日のテーマは「細胞の大きさ」ですが、その前にまず「肉眼」「光学顕微鏡」「電子顕微鏡」で見える限界についておさえておきましょう。
肉眼とはルーペやメガネなどを使わず裸眼で見ることを言います。 肉眼での見える限界は0.1~0.2mm です。定規の一番小さい目盛りが1mmですから、肉眼でもかなり小さいものが見えると言うことがわかります。
しかし、私たちが自分の手などを見て、細胞を見ることはできません。細胞は肉眼で見える限界よりも小さいからですね。
細胞を観察するためには顕微鏡を使う必要があります。顕微鏡には光学顕微鏡・電子顕微鏡の2種類があり、それぞれ見える限界が異なります。
みなさんが学校で使う顕微鏡は 光学顕微鏡 で、 見える限界は0.2μm(マイクロメートル) です。1mm=1000μmですから定規の一番小さい目盛りを千等分したものが1μmになります。
電子顕微鏡 は更に小さい物を見ることができます。 電子顕微鏡の見える限界は0.2nm(ナノメートル) です。1μm=1000nmです。電子顕微鏡は想像もつかないくらい小さなものまで見ることができるのです。
実際に観察する時は、観察したい物の大きさに合わせて肉眼や顕微鏡を使い分けます。
細胞の大きさは、実際にはどのようなサイズになっているのでしょうか。見える限界と比べながら様々な生物について見ていきましょう。
下の図は、代表的な微生物やウイルス、細胞などの大きさを比べたものです。
単位はマイクロメートルで右にある物ほど小さいということを表しています。
図の一番左にある ゾウリムシの大きさは約200μm です。肉眼で見える限界は0.2mm=200μmですから、ゾウリムシはぎりぎり肉眼で見えるのですね。
肝細胞 とは肝臓を構成している細胞です。 肝細胞の大きさは約20μm ですので、肉眼で見ることはできません。観察するには 光学顕微鏡 が必要です。
ウイルスと聞くと皆さん非常に小さいというイメージがあると思います。 インフルエンザウイルスの大きさは約0.1μm です。光学顕微鏡の見える限界は0.2μmでしたよね。 インフルエンザウイルスは電子顕微鏡でしか観察できないくらい小さい ということになります。
下の図は1〜10μmの大きさの部分を拡大した図になります。様々な細胞が1〜10μmの範囲の大きさにおさまっています。
赤血球 は血液の成分の一つで、酸素を全身に届ける役割を果たしています。 赤血球の大きさは約7.5μm です。
葉緑体 は光合成を行う植物細胞の中に存在します。 葉緑体の大きさは約5μm です。
ミトコンドリア は酸素を用いてエネルギーを効率よく作る働きがあります。 ミトコンドリアの大きさは約2.5μm です。
葉緑体・ミトコンドリアは共に細胞の中に含まれているものです。細菌の一種である 大腸菌の大きさは約3μm です。葉緑体とミトコンドリアの間の大きさですね。
1〜10μmには人の中で酸素の運搬を行っている重要な細胞である赤血球や、それ自体が生物である大腸菌など、様々な細胞があるということがわかります。特に 肝細胞・赤血球・葉緑体・ミトコンドリアの大きさはよく問われる のでしっかりと覚えてください。
(1)は肉眼・光学顕微鏡で観察できる大きさの限界についての、問題です。
肉眼 で見える限界は 0.1〜0.2mm です。
光学顕微鏡 で見える限界 は0.2μm です。
1mm=1000μmだったこと、 電子顕微鏡 の見える限界は 0.2nm だったことも確認しておいてください。
肝細胞の大きさは 20μm です。
赤血球・葉緑体・ミトコンドリアの大きさは1〜10μmの中に含まれていたことを覚えていますか。それぞれの大きさは赤血球が 7.5μm 、光合成を行う葉緑体は 5μm 、酸素をつかってエネルギーを作るミトコンドリアは 2.5μm です。
すべて光学顕微鏡で観察できることも合わせて確認してください。
4.単細胞生物について
生物に共通する特徴の1つとして、「 細胞 を基本単位としている」ということがありましたね。
私達人間の場合は、多くの細胞が集まって一つの生物として生きています。ですが生物の中には、 1つの細胞で1つの生物として生きているもの がいます。1つの細胞で生物として生きているものを 単細胞生物 と呼びましたね。
こちらは第一回目の授業「生命の誕生」で学んだ生命の歴史についての図です。
今から約38億年前に 単細胞生物 が誕生し、様々なプロセスを経て約10億年前に複数の細胞が集まって1つの生物として生きる 多細胞生物 が出現したのでしたね。
ただし多細胞生物の出現によって、単細胞生物が消えてしまったというわけではありません。現代まで単細胞生物は生き続けています。例えば、 ゾウリムシや細菌などが代表的な単細胞生物 です。
単細胞生物は、細胞が1つしかないのにどのようにして生きているのでしょうか?実は、単細胞生物は、1つの細胞に生きるために必要な構造がすべて備わっているのです。今回の授業では、単細胞生物の細胞について詳しくみていきましょう。
単細胞生物が実際どのような構造を持っていて、どのような役割を果たしているかを見ていきましょう。下の図はゾウリムシの図です。ゾウリムシは、生きるために必要な構造をすべてこの細胞に備えているのです。
ゾウリムシの周りには小さな毛がたくさんありますね。これを 繊毛(せんもう) と言います。繊毛が表面で波打つことでゾウリムシは移動することができます。
ゾウリムシの細胞内には放射状になっているところがあります。この部分を 収縮胞と言います。ゾウリムシは淡水に生息していて、常に内部のイオン濃度のほうが高く水が常に細胞内に入ってきています。水を排出しないと細胞の体積がどんどん増え破裂してしまいますよね。 水を収縮胞で排出する ことでこれを防いでいます。また、老廃物も水と一緒に排出しています。人間でいうところの腎臓に似た役割ですね。
またゾウリムシの細胞の中には外に対して穴が空いている部分があります。これを 細胞口 と言います。細胞口の中にはより細かな繊毛があり、外からの餌を取り込む役割を果たしています。名前の通り人間での口に相当します。
取り込まれた餌は当然消化されなければエネルギーとして使うことはできません。消化を行っている構造が 食胞 です。私たちの体の消化管に相当します。
ゾウリムシの中には非常に大きく目立つ構造があり、これを 大核 と言います。ゾウリムシは大核の下にもうひとつ核を持っています。これを 小核 と言います。
大核・小核どちらも同じ遺伝情報を持っています。普段の生活では大核にある遺伝子を用い、小核にある遺伝子は生殖の際に用いられるようになっています。
1つの細胞に生きるための構造をすべて備えた生物は 単細胞生物 です。
約38億年前~約10億年前の地球では、生物は単細胞生物のみが存在していたのですね。
ゾウリムシは細胞の周りに毛のようなものがあり、波うたせることで移動を行いましたね。これを 繊毛(せんもう) といいます。
ゾウリムシは細胞口からエサを取り込み、食胞という構造で 消化 を行いましたね。
ゾウリムシには大核・小核の2つの核があり、大核には普段の生活で使う遺伝情報があり、小核には子供を作る時、すなわち 生殖 の時にはたらく遺伝情報があります。
真核生物の構造:核
真核生物は、原核生物と異なり、細胞内に 「核」 をもっていましたね。
今回は真核生物の最大の特徴である「核」について、役割や構造を詳しく見ていきます。
まずは「核の役割」について考えましょう。
図のように、真核生物の細胞にはDNAが核膜で包まれた核が存在しますね。 DNAとは一言で言うと 遺伝子 のことです。
では、遺伝子とは、一体どんな働きをするのでしょうか。
遺伝子 とは 「親から子へと伝えられ、細胞の形や働きを決めるもの」 です。
核は遺伝子を含んでいるので遺伝子の役割がそのまま核の役割ということになりますね。
では、核の構造も詳しく見ていきましょう。
図は核をドーンと拡大したものです。
まずは、核を包んでいる 核膜 に注目しましょう。2枚の膜からできていることがわかります。つまり核膜は 二重膜 ということになります。二重膜という特徴は、ものすごく大事なポイントなので必ずおさえてください。
核膜の中には、 DNA が含まれていましたよね。
ただし、核にふくまれるDNAは、DNAがそのままの状態で存在しているわけではありません。DNAは タンパク質と結合した状態で存在 しています。DNAとタンパク質が結合した状態のことを 染色体 と言います。
他の構造物として核の中には 核小体 という大きな構造があります。
また、核膜は完全に球の表面を覆ってはいません。核の内外で物質のやり取りを行うために、いくつか穴が開いています。この穴のことを 核膜孔 と言います。
ところでこういった核の構造物はどのように観察されたのでしょうか。実は顕微鏡で真核細胞をそのまま観察しても、核には色素が含まれていないので見ることはできません。
では、どうやって観察するかというと、 染めることで観察 を行います。染色に用いる染色液として 酢酸カーミン ・ 酢酸オルセイン があります。
染色液を用いると染色体がひときわよく染まります。染色体の名前の由来ですね。
核膜・染色体・核小体・核膜孔 ーーこれら4つの核の構造物をしっかりと覚えましょう。
核と細胞質基質の間にある膜は 核膜 です。 二重膜 であること、核膜孔があることも合わせて確認しましょう。
核内に存在するDNAとタンパク質からできたものは 染色体 です。染色液によってよく染まることからこの名前がつきました。
核を観察するために用いる染色液は2種類ありましたね。 酢酸カーミン・酢酸オルセイン でした。
細胞膜について
今回は、真核生物の細胞における 「細胞膜」 について見ていきます。
細胞膜と聞くとただの仕切りで、「なんだ、そんな地味な話か!」と思うかもしれませんね。
しかし、細胞膜は生物が生物であるための細胞を形づくる非常に重要な膜なのです。
細胞膜は細胞の一番外側に存在する膜でしたね。
細胞は 外側と内側を細胞膜で仕切られることによって、内側に独自の環境を持つ ことが可能になりました。これが細胞の誕生、つまり生命の誕生でした。
では細胞膜の厚さはどれくらいでしょうか。 細胞膜の厚さ は 5〜6nm です。光学顕微鏡の見える限界が200nmですから 電子顕微鏡 を使わないと観察することはできません。
細胞膜は細胞の内と外を仕切る役割がありますが、もう一つ非常に重要な役割を担っています。
細胞の内と外とで物質のやり取りを行い、 細胞内部の状態を維持する ということです。
細胞膜が機能しないと、細胞は死んでしまうほど重要な機能です。
細胞膜が、その役割を果たすためにどのような構造・機能を持っているか見ていきましょう。
図は、細胞膜を電子顕微鏡で観察した時に見える様子を表したものです。「意外と色々なものがあるじゃん!」と思うのではないですか?
細胞膜の厚さは5〜6nmだと学びましたね。上の図全体の厚さが5~6nmということです。
図を見ると、丸い部分に棒が2つくっついた構造物がありますね。 「丸+2つの棒」の構造物が上下で対になり、びっしり並ぶことで膜が作られている ことが図からわかります。
「丸+2つの棒」の構造物のことを リン脂質 と言います。またリン脂質の丸の部分を リン酸 と言います。 リン酸は水になじみやすい性質 を持ちます。水になじみやすい性質のことを 親水性 と言います。
一方、リン脂質の棒の部分のことを 脂肪酸 と言います。 脂肪酸は水になじみにくい性質 があります。水になじみにくい性質のことを 疎水性 と言います。
このリン脂質が上下で二重に並ぶことで細胞膜はできていますが、並び方にはルールがあります。必ず リン酸が外側に向く ようになっているのです。 リン酸を外側に向けることで、細胞膜自体は水になじみやすい性質 を持つようになっています。
細胞膜は主にリン脂質によって構成されていますが、リン脂質以外にも、膜にうまる形でタンパク質が存在しています。膜にうまっているタンパク質のことを特に 膜タンパク質 と言います。
リン脂質のみでは物質のやりとりを行うことはできません。間に疎水性の部分があるからです。細胞の内と外との 物質のやりとりは膜タンパク質を介して行われています。
右の図は細胞膜を上から眺めた図です。見てわかる通り、リン脂質がびっしり並んでいるところに、タンパク質が所々存在していることがわかります。
細胞膜の構造物は、きっちりと場所が固定されているわけではありません。リン脂質も膜タンパク質もぷかぷか浮いているようなイメージで流動的に動いています。
膜タンパク質・リン脂質が流動的に動いている 様子のことを 流動モザイクモデル と言います。
膜タンパク質は細胞膜上を流動的に動いて、物質のやりとりを行っているのです。
細胞膜は リン脂質 と タンパク質 からできています。特に膜タンパク質を忘れてしまいがちなので気をつけてください。リン脂質のみでは物質のやりとりができません。
流動的に動き、モザイク上に存在しているので、 流動モザイクモデル といいましたね。よく出てくる用語なのでしっかり覚えましょう。
細胞膜のタンパク質は、細胞の内と外とで 物質のやりとり を行っています。エネルギーを取り込んだり、老廃物を配したり、細胞が生きるためには様々な物質のやりとりが欠かせません。
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今回のテーマは「生命の誕生」です。
この授業ではどのような過程で 生命(細胞) が誕生したかを学びましょう。